【データから読み解く】高校生の就職とキャリア

大卒より4年早く社会に出ることを利点ととらえ、早く就職活動し、早く社会で活躍する進路選択=「早活」に変えるムーブメントが生まれています。

それにともない、主に学校の中だけで完結するため、なかなか表に出てくることがなかった「高卒就職」の実態に関する調査・研究も進み始めています。今回は、リクルートワークス研究所が2021年に出したレポートから、気になる調査結果をピックアップしてご紹介します。

高校生は自立や成長を目指して就職する

今回の結果からは、「お金がないから」「勉強したくないから」といった消極的な理由からではなく、「早く自立したい」「成長したい」という積極的な理由から高校卒で就職した若者が多くを占めることがわかった。「自立・成長」を期待して就職した若者へのふさわしい成長機会の提供、経済的困難を抱える生徒に対する支援、学業を回避してまず働きたいと思った若者が後々、もう一度学び直したいと思った際のサポート。今回明らかになった3つの就職理由からは、早急に取り組むべき3つの施策が浮かびあがる

半数の高校生がその1社しかしらずに就職し、それはその後の人生に影響

こうした1社だけを見定めて就職している状況は、その後のキャリアにも影響を及ぼしているようだ。すなわち「1社だけ」で就職すると、その後のキャリアにおいて、自信・好奇心が湧き上がってこない、自分で自らのキャリアを構築できているという実感が弱いことなどが示されている。

入りたい会社をきちんと比べて就職すると、就職後の満足度や離職率が改善

「情報量が十分な状態になるほど、最初の会社の評価が改善され、半年、あるいは3年以内といった早期離職を防ぐことができることがわかる。」

「調査からは1社以下」と「2、3社」の間に差があることが明らかになっている。大学生のように10数社みる必要はない。まさに、「行きたい企業と同じ業種の別の企業」「つきたい職種とは別の職種で募集している地元企業」「就きたい職種と同じ職種で募集している別の企業」といった、2、3社を比べることや選んだ実感がもたらす効果は想像以上におおきくなる。

※全ての出展:リクルートワークス研究所 レポート2021 高校生の就職とキャリア
https://www.works-i.com/research/works-report/2021/koukousotsureport.html

また、就職後に実施する「研修」の効果についても興味深いデータが、同研究所から出されている。

大学生に比べて、研修効果の高い高卒就職者

50時間以上のOff-JTは離職率を減らす効果

Off-JT研修は、その後の社員の自律的成長度にも差

※上記出展全て リクルートワークス研究所

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