「高卒プロフェッショナルキャリア」という考え方

「高卒」の言葉のイメージは?

「高卒」という言葉をきいたとき、どういうイメージを持ちますか?

ポジティブなイメージ、それともネガティブなイメージ?

決めつけたくはありませんが、どちらかといえばネガティブに語られるケースが多いように思います。

1960年代では、高校を出て働く人の方が60%近くで、高卒で働くのが当たり前。大学にいくのは一部でした。それが、この60年で大学進学率はうなぎのぼり。今にいたっては大学進学が約6割で、高卒で働きはじめる人は2割を切ってしまいました。

大学進学率と高卒就職率の推移

これだけの急速な変化は、「大学にいってもっと学びたい」とか、医師や研究者や教員など、大学に行かないとなれない職業をめざすという理由だけでは説明つきません。「高卒だといい仕事につけない」、「高卒だと生涯年収が低くなる」など、高卒で働き始めることの「メリット」を見えなくする、「デメリット」をおしたてて、大学に駆り立てた社会の考え方がありました。

高卒の「常識」をリセットして考えてみる。

現在の変化のスピードが早い社会で、世界と戦う技術や経験を蓄積していくためには、若い年齢で現場に入ることは圧倒的なメリットを有します。吸収力は高いし、余分な知識がないぶん、パフォーマンスを発揮するための知識や技術をはやく習得できます。

つまり高卒就職を、「大学にいけなかった」という点で考えるのではなく、18歳で大卒よりいち早く現場にでた、という観点でみるのです。即ち、社会人経験の長さをメリットと評価すれば、高卒のほうが4年のメリットがある、即ち、評価は逆になります。

仕事で一人前になっていくためには、概ね三つの段階が存在します。

1)現場に入り、右往左往しながら慣れていく段階。

2)慣れた後に、様々な仕事の現場をとおして技術をひとつずつ習得していく段階。

3)与えられた仕事をこなす状況から、自分から仕事を主体的にマネージしていけるようなる段階。

もし同じ仕事をすると考えれば、大卒として仕事にはいってくる段階で、すでに高校から働いている子はこれらの段階をすでに終えているということ。

しかもその状況で23歳。次の仕事への転職も仕事の実績をもとに狙うこともできるし、会社の経営の中核へと登るという選択もできる。

この考えにたって、高卒で働き始める選択を、未来志向で再定義したのが「高卒プロフェッショナルキャリア(高卒プロ・キャリア)」です。

高卒プロフェッショナルキャリアという考え方

高卒プロフェッショナル・キャリア
高校を卒業後、18才で働くことを選択し、仕事とともに「人間性」・「社会性」・「職務能力」の成長を志向し、真の「プロフェッショナル」をめざす道

この視点で社会をもう一度見直してみると、「高卒プロ・キャリア」を歩んで、しっかりと社会の中核を担っている人が意外に多いことに気付きます。そういった方々にインタビューすると、「高卒の自分に引け目を感じていて、なかなか言い出しづらかった」など、なかなか表に出られない空気感もあるようです。しかし、こうしてその人生の選択を再評価し、スポットを浴びることで、後に続く若者も増えていくかもしれません。

今の「高卒就職」は18歳のメリットを活かせていない。

高度成長時代にできた、高卒は高卒の仕事、大卒は大卒の仕事と、高卒と大卒で区分けされた採用システムが、18歳で社会に出て成長していく道を不用意に閉ざしています。それは結果的に、若者の成長力を、日本の社会の成長力に活かせていないことになります。

大卒、高卒の枠にとらわれず、18歳から働き始める若者に成長できる環境を用意すれば、今まで以上に成長する事実に驚愕することでしょう。しかも、若者たちにとっても自立や結婚のタイミングもはやくなり、若さをメリットに変えていけるでしょう。昨今、子どもの貧困が社会課題になっていますが、貧困の連鎖を断つ上で、もし高校卒業後にしっかりと自立し成長していける道として、「高卒プロキャリア」という選択肢が身近で可能性の高い道として選択できるようになれば、その解決の道も早まるかもしれません。

この「高卒プロ・キャリア」について、まだまだ説明不足も多いので、また追って記事を書いていきます。

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