見直しに向けた検討が進められている、高卒就職における「1人1社制」。8日に開かれた規制改革推進会議の保育・雇用ワーキング・グループでは、労働政策研究・研修機構の堀有喜衣主任研究員による現状報告と意見交換が開催された。
堀氏は1人1社制が続く背景として、高校側には企業との信頼関係維持や生徒の就職活動の負担軽減といった配慮があると指摘。企業側にとっては大卒採用と比べて内定辞退のリスクが小さく、採用関連費用も抑えられるなど、確実・効率的な制度として評価されていると分析する。
一方で、
1人1社制を撤廃した場合、知名度の高いBツーC企業や大手企業への応募が増え、BツーB企業や中小企業への応募が減るとの見方もある。大都市部の企業への就職で、地方の若年労働力が流出する懸念も根強い。
との指摘もある。内閣府は、生徒がより主体性をもって職業を選べるようにする観点で検討を進める方針とのことだ。
高卒就職「1人1社制」見直しで変わること、懸念すること ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
政府の規制改革推進会議は、高卒者の就職慣行である「1人1社制」の見直しに向けた検討を進めている。学校が就職希望の生徒1人に1社をあっせんする同制度は、秋田と沖縄を除く都道府県で慣例となっている。地場...
日刊工業新聞 2019年5月17日の記事より